円安が止まらない
2024年4月1ドル155.33円と円安に歯止めがかからない状態である。
わずか3年前の2021年1月のドル円は103.20円だった。
さらに遡った2011年10月のドル円は75.32円だったのだ。
その時外貨預金でもしておけば・・と今更ながら思うのであった・・
円安だと どうなるのか?
例として、アメリカで1000ドルのiphoneが日本では現在155,330円ということになる。
2021年1月の為替レートでは103,200円、2011年10月の為替レートでは75,320円と半額以下で購入できたことになる。
簡単に言うと『円の価値』が下がることが円安、逆に上がると円高ということになる。
1ドルを買うのに100円で買えるか、または200円もするのか?ということ。
200円を買うのに1ドルで買えれば『安っ』となるし ドル高
200円を買うのに2ドル必要になると『高っ』となる ドル安
ドル円はあくまでドルからみた評価だから、ややっこしく感じてしまう。
円安で苦しむ企業は100均企業だと思う。例えば「ダイソー」や「セリア」等である。
仕入れは、ほぼ輸入になっている。支払いはドル建てになるから円安が、とてつもなく影響するのだ。
100均の商品についても原価率はまちまちで、円ベースで50円を切るものから、イベント品などは90円を越える商品もあるはずである(komaは昔小売業でバイヤーやマーチャンダイザーを担当していた)
現在の為替レートでは100円を越えていまう商品も多くあるのだと思う。その影響で人気のある商品まで廃盤に追い込まれるケースも出てきているらしい。また円安の対策としては数年前から300円、500円、700円、1000円と価格帯を増やしていき、100均の構成比を減らしてきているのだろう。これからは益々、この傾向が強くなっていき、円安がさらに進めば100均業態事態の存続ができるかが心配である。
また輸入に頼ってる代表がエネルギー(原油・ガス)だろう。
今年の夏は電気代が高くなるらしい。円安や原料の高騰によるエネルギー資源の価格の上昇だろう。また食品原料の多くも輸入に頼っている。大豆や牛肉、コーヒーやワイン等々。大豆が上がると食用油の価格が上がり、小麦粉が上がると麺類全般、パンなどが値上げ対象となる。
まさに円安がインフレの要因になっているし、今後もしばらく値上げラッシュが続きそうだと推測できる。経済が成長してのインフレではなく、物価高が原因のインフレなので、よろしくない。経済が成長してのインフレではないので金利も上げにくい。
一方で円安が追い風になる場合もある。
まずは輸出企業だ。ドルベースでの決済だと円安がプラスにはたらくからだ。
自動車メーカー、SONY、任天堂等は恩恵を受けることになる。
また海外からの旅行者は大喜びだ。円安メリットを享受できることから増加している。
訪日外国人数は過去最高となる見通しとなっている。
景気・株価・債券・金利・為替の関係は?
中長期な金利の動き
景気が良くなると ➡ 資金需要が増加 ➡ 金利は上がる
景気が良くなると、高額品の買い物をする人が増える。資金需要が増える。
物価が上がると ➡ 資金需要が増加 ➡ 金利は上がる
インフレになると、支出が増えるのでお金が必要になる。資金需要が増える。
円安 ➡ 資金需要が増加 ➡ 金利は上がる
円安になると輸入品の価格が上がりインフレとなり資金需要が増え金利が上がる
海外金利が上がる ➡ 円安 ➡ 資金需要が増加 ➡ 金利は上がる
海外の金利が高くなると、円が売られ海外で運用する人が増加することから円安に向かう。
景気が悪くなる ➡ 資金需要が減少 ➡ 金がダブつくから金利は下がる
景気が悪くなると、節約指向となるので資金需要が減る。
物価の下落 ➡ 資金需要が減少 ➡ 金がダブつくから金利は下がる
デフレになると、支出が減るのでお金があまるので資金需要は減り金利が下がる。
円高 ➡ 資金需要が減少 ➡ 金利が下がる
円高になると輸入品の価格が下がりデフレとなる。支出が減るのでお金があまるので資金需要は減り金利が下がる
海外金利が下がる ➡ 円高 ➡ 資金需要が減少 ➡ 金利は下がる
海外の金利が下がると、外貨が売られ円で運用する人が増加することから円高に向かう。
短期的な金利の動き
リスクオン(リターンを追求しやすい相場状況)
現在の市場状況はリスクオンの傾向といえるのではないか。
安全性の高い債券を売って、リスクの高い株式を買うことで債券価格は下落する。(株価は上がる)
債券価格が下落すると金利は上昇する。(金利と債券参照)
つまり株価が上昇すると金利も上昇することになる。
リスクオフ(リスクを避ける相場状況)
リスクの高い株式を売却し、安全性の高い債券を買うことで債券価格が上昇する。
債券価格が上昇すると金利は低下する。(金利と債券参照)
つまり株価が下落すると金利が低下することになる。
金利と債券
金利が上がる ➡ 債券価格は下がる ➡ 債券の利回りは上がる
金利が下がる ➡ 債券価格は上がる ➡ 債券の利回りは下がる
金利が上がると、金利が低い債券を安く売り払い、新しく発行された金利の高い債権を買うため債券の価格は下落する。
なを償還までの期間が長い債券ほど価格変動幅は大きく、残存期間が短い期間ほど価格変動幅は小さい。
最後に・・
- 景気が良くなる➡金利が上がる➡債券価格は下がる➡株価は上がる
- 物価が上がると➡金利が上がる➡債券価格は下がる➡株価は上がる
- 円安➡金利が上がる➡債券価格は下がる➡株価は上がる
- 海外金利が上がる➡円安➡金利は上がる➡債券価格は下がる➡株価は上がる
- 景気が悪くなる➡金利は下がる➡債券価格は上がる➡株価は下がる
- 物価の下落➡金利は下がる➡債券価格は上がる➡株価は下がる
- 円高➡金利は下がる➡債券価格は上がる➡株価は下がる
- 海外金利が下がる➡円高➡金利は下がる➡債券価格は上がる➡株価は下がる
今現在の状況は企業業績が好調な企業が多く、結果的に株価が過去最高を更新した。賃金の上昇は2023年に大幅な上昇をし、2024年度においても高水準を維持しているようだ。自動車メーカーをはじめ、輸出産業が好調であることから、景気は良いと判断できるのではないか。
物価については円安の影響や原材料の高騰等もあり、景気が良くなってのインフレではないことが気になるが、数字上では物価は上がっている。
いわずとしれた円安である。
政策金利を他国と比べてみると日本0.10%、米国5.25%〜5.50%、英国5.25%、豪州4.35%、カナダ5.00%、スイス1.5%(2024/3/25更新)
日本の金利は明らかに低い!・・しかし、ほんまモノのインフレじゃないから難しい。簡単に金利を上げるわけにはいかないのだ。金利を上げると住宅金利は上がるし、中小企業が借り入れをして設備投資が出来なくなる、国債の金利が上がり国の借金が増えるし・・ 一気に景気が冷え込む可能性もあるわけだ・・
今後も景気が良くなり物価も上がり、賃金が上がると言い切れれば・・株価は上がるので株を買う
円安は必ず続くと言い切れれば・・・外貨への投資をする
しかし、『必ずはない』! それだけは断言できる。しかし巷では断言できるかのような誘い文句が溢れており、それに引っかかる人達も多いのが現実である。最終的には自己判断となる。自分が儲かると判断して、お金を出すのだ。儲かると判断させるため、あの手この手で仕掛けてくるのだ。悪い人が仕掛けてくるわけではない。例えば都市銀行のキャリアを積んだ人の良さそうな女性職員から勧められれば、まさかそんなリスクの高い金融商品だと疑うこともなく話に乗ってしまうこともある。そもそも、その女性職員自身がリスクの高い商品だと認識しておらず、上役からの指示に従って手数料の高い金融商品を勧めてる場合も多いのだ。
komaもよく理解してないころ、某地方銀行の女性職員から勧められて仕組債なるものを購入したことがある。仕組債はスワップ(金利や通貨を交換する取引)やオプション(先物取引き)などのデリバティブ(金融派生商品)を利用した仕組み。この時点ですでにややっこしい。仕組みというより、からくりという方があっている気がする・・ 人の良さそうな女性職員からパンフレットを見せられて説明を受けても、ノックアウトだノックインだ、ノックインしたら株式で償還とか・・なんとなく『うんうん』と聞いて『わかった』となり『じゃ、おねがいします』なんて具合に買った経験がある(ほんとアホだった)。そもそも銀行職員さんが理解していない!!質問しても、定型文でも読んでいる内容で、いまいち理解できない・・
しかし運が良く最初の数回は順調に早期償還となり、高い利息を受け取ることができたが、途中『ん』と思い、色々調べるうちに『やばい』ものに手をだしてるかも、と気付き損失を発生させる前に手を引くことができた。現在ではほとんど取り扱ってるる金融機関がないことで、その危険性がわかると思う。
経済の大きな動きを把握することで、目先の美味しいそうな話に乗ることなく、自分の考えで判断することが大切。
投資に関する広告を見ても利率10%なら10年後◯◯倍になる!なんて普通にでている。10年間10%平均なんてありえんでしょ!って。そもそも、そんなアクティブな投資をしていたら損する可能性が大きいわけだし。
自分で正しい判断をできる金融リテラシーを備えることが、これからの時代必須になるのだと思う。
しのために少しでもお手伝いできれば嬉しい限りである。
次回につづく
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