退職金について考えてみた その1

気がついたら35度以上の酷暑も収まり、秋が少しづつだが近づいてきているようである。

人生において、まとまったお金を手にする機会は限られている。おそらく普通のサラリーマンは退職金がそれにあたるのではないだろうか。宝くじに当たる人も中にはいるかもしれないが確率的には現実的ではない。

今回は退職金について考えてみることにする。
住宅ローンの一括支払いや、老後の貴重な資金としたり様々であるが、遊びにパァ〜っと使うわけにはいかない。
たまに聞く話では、退職金を株式投資に注ぎ込み、大損して真っ青になってしまった等である。。

目次

退職金に係る税金

退職金は何十年もの長い間働いたことに対する報償という性格であるため税制上、様々な優遇措置が講じられている。

退職金自体は会社の退職給与規定に定められているので、自身で確認出来るはずです。例えば基本給✕就業年数等(基本給に加給を加えるなどは会社規定で異なる)

退職金の支給を受けた場合には所得税、住民税が課税される。
以下の式で計算(勤続年数5年超の場合

退職所得 = ( 退職金 ー 退職所得控除額 ) ✕ 1/2

退職所得控除額は勤続年数に応じて増加する仕組みになっている。

勤続年数退職所得控除額
20年以下40万円 ✕ 勤続年数 (最低80万円)
20年超800万円 + 70万円 ✕ (勤続年数 ー 20年)
※勤続年数 1年未満は切り上げ
koma

退職金は他の所得と合算せずに、分離課税として単独での適用を受けるため税金の負担が軽くなるんだよ!

(計算例)

勤続年数が35年6ヶ月で退職金が2000万円とした場合。

退職所得控除額

35年6ヶ月 ⇒ 36年で計算
20年超だから
800万円 + 70万円 ✕ (36年 ー 20年)
800万円 + 1120万 = 1920万円

退職所得

( 2000万円 ー 1920万円 ) ✕ 1/2 = 40万円

所得税:40万円 ✕ 5% = 2万円

住民税:40万円 ✕ 10% = 4万円

手取り額 :退職金2000万円 ー 所得税2万円 ー 住民税4万円 =1994万円

koma

分離課税で税制優遇のおけげで税金が6万円ですんだけど、これが給与での計算だったら、税率40%だよ!!

退職金の使い道

あまりにケチケチしすぎて自分が死ぬときに資産が余り過ぎなんてこともありえる。別に子供達に遺産を相続してもよいし、何なら寄付することで最後に社会貢献するのもありだろう。しかしケチケチし過ぎて自分の生活を苦しくまでしてするのはいかがなもか? とも思える。
そこで退職金をいかに有意義に使うかを考えてみた。

退職金といっても受け取る金額は人によって様々である。
企業の規模や、勤続年数、働いている業界や業種、学歴等の要因で一概に平均値ともいいがたい。
今回はkomaのイメージで1000万〜2000万の幅と考え、その真ん中あたりの1500万円を中央値と設定することにした。(60歳定年退職)

退職金の使徒として一般的に考えられるのは

  • 住宅ローンの一括返済(退職時までに完済する計画がベストだが)
  • 子どもの教育費用 (最近は退職後も教育費がかかる人も多くなってきている)
  • 老後資金(本来は、老後資金といしてメインにしたいのだが・・)
  • 資産運用(老後資金を効率的に活用するために不可避であるとkomaは考える)
  • 住宅のリフォーム (komaの家は35歳時に建てたメーカーハウス(ミサワホーム)で27年も経過した。カビが酷くなり外装を一度塗り直したが、屋根を含めそれ以外では給湯器を1回交換しただけだ。そのうち水廻りはリフォームが必要になる兆候は感じている。しかし、それ以外はいつ、どのくらいのコストを掛けたリフォームが必要になるかは不明。自分的は不都合が発生した時に対処する方法がよいのではないかと考えている。そのために引当金を積み立てることがポイントなだと思う(月に1〜2万円程度)
  • 旅行 (長年、時間に縛られての生活が続いていたので、ゆっくり旅にでもしたいのは人情というもの・・)
  • クルマ、バイク等上がりの一台(夢ですね・・)
  • その他(寄付、贈与等)

① 住宅ローンの一括返済は、良く考えた方がよい。60歳で定年退職し、その後嘱託で再雇用制度で65歳ないし70歳まで働くとした場合には、選択肢として一括返済、従来通り住宅ローンを支払う、借り換えを行い金利負担を抑えつつ住宅ローンは継続する方法がある。住宅ローンには団体信用保険に加入してる場合が多いので、その場合には自分が死亡した場合には以降の支払いが免除されることも検討材料の一つである。60歳で完全リタイヤするのであれば、金利の状況も考え例えば最新の変動金利、固定金利と比較して判断するのもひとつである。高いと判断した場合には一括での返済もありではないだろうか。またNISA等で3%平均で運用可能だと判断できるなら、住宅ローンを継続し、その分を資産運用に回すこともありだろう。何が100%正しいとかは無いのだ。
自分的には最雇用制度で働き続けるなら住宅ローンの一括返済はせず、資産運用にまわす。また60歳で完全リタイヤするなら金利の状況によって高いなら一括返済し、低いなら住宅ローンを継続し、資産運用に回す判断をする。

② 教育費用は考え方。日本学生支援機構の「令和2年度学生生活調査」によると大学生の約49.6%が奨学金を利用している。子どもと話し合い、決めればよいことだと思う。

③ 老後資金として考えることが最優先であることに違いはない。完全リタイヤするにしろ、再雇用制度で働くにしろ年金受給後、リタイヤ後に不足する金額を、ある程度正確に算定する必要がある。(不足しないかもしれないが)
政府からでている老後2000万円問題などは、あくまでも平均値の話であって、誰にでも当てはまることではない。むしろ正確でない人の割合のほうが多いはずだ。老後のライフプラン(キャッシュフロー表)を作ることが最も重要なことであると思う。簡単ではないが自分で作成することも可能である。今後キャッシュフロー表の作成方法について記事にしますので参考にして頂ければ。

④ 資産運用については、低金利時代の現在、銀行に預けていても利子はほぼ期待できない(T_T)。
インフレリスクは想像以上に酷い!!
せっかく手にした大金である。安全性を重視しながらも資産運用で少しでも増やしたいものである。とくにリタイヤ後は収入が限られてくるので、資産運用で得られた利益は貴重である。

⑤ 住宅のリフォームは計画的に行ったほうがよいのだろうが、不具合が発生した都度、対処することでも問題はないと思う。しかし不具合がいつ発生するかは予測がつかない。準備のために引当金として修繕費を積立することをすすめる。月額1万〜2万程度で問題はないかと思う。マンションでいう修繕積立金と同じ様な感じだろう。

⑥ 旅行は行ったほうが良いと思うが、無理はせず可能な範囲で楽しむ程度で十分。komaは毎年バイクで北海道へキャンプツーリングに行っている。最初の年は気合をいれ3週間だったが、2年は2週間、今年はフェリー泊も含め10日間で十分楽しめた。宿泊はキャンプで旅の費用は10万円程度で収まっている。金をかけなくても楽しむ方法はある(車中泊とかでも楽しい)

⑦ クルマ、バイク等 人生最後の贅沢として買った知人が、自分も含め何人かいる。完全に贅沢品なので、余裕があったら購入したらいいのではないか。優先順位的に決して高くないので、我慢することも必要である。

※ 収入が限られてくると支出の見直しを行うことが重要である。なんせ支出が収入を上回ると赤字になるのだから(T_T)。

次回へ つづく

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